こんにちは、Blogにご訪問いただきありがとうございます。
京都(宇治・伏見)で親子に寄り添う丁寧な指導 プロ家庭教師の内藤 睦です。
世の中には、いろんなものごとについて、上達の階段があります。
私は、勉強という目に見えて評価されやすい階段を昇ることを手伝う仕事です。
が、評価されやすい、見えやすい階段を昇るためにも、目につきやすいところだけでなく、見えにくい階段も大切にすることが大事、と思っています。
「上達のための階段を昇る」について思うこと。
今日は第2回です。
目次
1. 目に見えない階段とは 2. 見えない階段その①本人も昇っていることを自覚していない階段が何かに役立つ 3. 見えない階段その②挫折克服という一番わかりづらい階段 4. 評価されない階段の中に、実はその子が生き抜くための力がつくものがあるのかも |
目に見えない階段とは
突然ですが、「激レアさんを連れてきた。」というTV番組がなかなかおもしろくて、好きです。
とても珍しい体験をした人や珍しいサクセスストーリーのある人に登場してもらい、そのウソみたいな本当の話や体験談を聞くバラエティーです。
珍しい体験は本当に珍しくて、たとえば「家の中にいたのにカミナリに打たれてしまった人」などが紹介されます。
そういう回もおもしろいのですが、私がおもしろみを感じるのは「何かをやっていたら意外なことで突き抜けて成功しちゃった」という人です。
何かの道のサクセスストーリーというと、「情熱大陸」や「プロフェッショナル 仕事の流儀」などの王道番組をイメージすることが多いのですが、この番組は、意外な切り口でサクセスに迫ります。
そこには、「目に見えない階段」があると思うのです。
見えない階段その①
本人も昇っていることを自覚していない階段が何かに役立つ
たとえば「ママチャリで子どもを毎日送り迎えしていたら圧倒的な脚力がつき、50歳でプロ競輪選手になった」として紹介された女性。
遠く離れた幼稚園への送り迎えをママチャリで数年間やったところ、驚くほど太ももが鍛えられました。
偶然そのことで自転車愛好家から声をかけられ、自転車の大会に出るようになり、さらに子どもの手が離れる頃に一念発起して競輪学校に入学。
厳しい学生生活をこなして競輪選手になったとのこと。
雨の日も風の日も、長距離を子どもを載せたママチャリで送迎することで太ももが鍛えられ、主婦として家事を完ぺきにこなしながら自転車の大会に幾つも出るハードな生活をつづけたことで、競輪学校でのハードな学校生活にもその後のプロ生活にも耐えられたとか。
これって「ママチャリで子どもを毎日送迎」「家事を完ぺきにこなす」という芯の強さや継続力を持って、本人の気づいていない「自転車のプロになるために鍛える階段」を昇っていたのだと思います。
もちろん、この方は元々「鍛えれば超パワーアップする太もも」というレアな才能を持っていたと思います。
でも、「競輪選手になりたい!」と目標設定してやったわけではない結果、戦略的に目標設定して努力した人とはまた違う形で高みに昇る、ということに、おもしみを感じるのです。
番組では、他にもニッチな分野や芸術方面で秀でた活躍をする人が紹介される回があります。
その中には、お金がないながらも道を究めるために修行に励んだ、というケースがちょくちょく見られます。
お金がないつらく厳しい状況が、道を究めるためによい方向に向かう場合があるんですね。
お金がないために娯楽を楽しめる余裕がなく、その道の腕を磨くことに集中できたとか。
お金がなくて体力でカバーするうちに身体が鍛えられたとか、
治安などの不安な場所で過ごす体験をするうちにメンタルが鍛えられたとか。
これも「集中力を高める」「メンタルを鍛える」などの見えない階段を、意外なやり方で昇っていたということだと思うのです。
もちろんバラエティー番組なので、笑いを誘うための強引なこじつけはあります。
でもその人達は、上達の階段がはっきり見えない中を、本人も気づいていない、見えない階段を意図せず昇っていた感じがするのです。
見えない階段なので、他の人からしたら「えっ?それしてたらそんなことできちゃったの!」という意外さ。
この感じがかなりおもしろいです。
見えない階段その②
挫折克服という一番わかりづらい階段
でも、見えない階段として一番わかりづらいのは、きっと「挫折から立ち直る」階段だと思います。
成功方法はある程度マニュアル化され、階段状にステップ化されていますが、
挫折から這い上がる方法はマニュアル化されていませんし、なかなか画一化して教えることはできないですから。
だから「〇〇さんの失敗から学ぶ」といった、失敗学というものができたのだと思います。
多くの人が、当然ながら、自分がこけないように気をつけます。
そして、親になると、子どもに挫折させたくない…という気持ちも芽生えるかと思います。
でも、気をつけても、予期せぬ失敗や挫折はどうしても起こりますよね。
その時、どうすればよいでしょうか。
これも「激レアさん」で紹介された人物の中に少しヒントがあります。
三味線独学で日本一になった女性は、最初の頃コンテストでなかなか結果が出せず、心身ともに弱ってしまいましたが、海外旅行でいろいろ危険な目にあってメンタルが鍛えられたとのこと。
甘えていられない空間に飛び込むことで、自分から動くことに慣れ、心身が鍛えられたということでしょうか。
「挫折からの立ち直り」については、結果オーライの話なので、「こうすれば挫折から立ち直れる!」と、誰にでも当てはめられるわけではないと思います。
その人がそれまでに持っているバックグラウンドや、環境や運など、いろんなことが大きく影響します。
でも一つの方法として、挫折したことを冷静に受け止め、そこからどこかに向かってまた歩き始める。
その時、どこが「挫折から這い上がる」方向なのかわからなくても、とにかくどこかに向かって歩き始める。
それは辛いしエネルギーのいることですが、どこかに向かって歩き始めることが、気がつけば挫折から立ち直るための階段を昇ることに続いているのだと思います。
「上達が見えやすい階段」ばかり見て昇ってきた人は、挫折した時、どこを昇ればいいのかわからなくなってしまって途方に暮れてしまうのかもしれません。
とにかくどこかに向かって歩き始めるエネルギーが湧いてくる人とは、ひょっとしたら「見えにくい階段」をかつて昇った経験がある人なのかもしれません。
評価されない階段の中に、実はその子が生き抜くための力がつくものがあるのかも
いかがでしたでしょうか?
とかく、最近は見えやすい階段が整備されていて、ちょっとネットで検索すれば
「東大に合格するための勉強法」「早く走れるようになるコツ」「イラストが上手に描ける方法」…などなど
本当にさまざまなノウハウの動画や体験談、といった情報で溢れています。
でも実は、見えにくくて評価されにくい階段の中に、実はその子が生き抜くための力がつくものがあるのかもしれません。
それでは、そのために親はどうすればいいでしょうか?
それを次回に書きたいと思います。
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