工夫する計算は出題者と解答者の知恵比べ?!


こんにちは。京都(宇治・伏見)のプロ家庭教師 内藤 睦です。
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今日は、特に最近の中学受験でよく出る計算問題のパターン
「工夫の必要な計算」について書きます。


夏休みも終え、さらに中学受験勉強本格化!
この時期に大切なのは計算力Up!



夏休みも終わり、小学校6年生は模試などで本格的に
自分の実力を見つめ、5年生、4年生は授業のペースが速まり、
勉強ペースを上げないといけない時期です。
こんな時、模試や実力テストの問題では、
数問出てくる計算問題は全問正解しておきたいところ。

オーソドックスなところとして、
分数の計算、小数の計算などのややこしい数字の問題、
カッコ(){}〔〕のつく問題や
□を求める逆算の問題などがあります。
ひたすら正確さとスピードを追求して解き、
後の問題に向けて弾みをつけたいもの。

でもそれ以外に、「工夫の必要な計算」があります。
これは、練習すればするほど解けるようになる問題ですが、
その時の心がまえ、コツを
問題を幾つかのパターンに分けてお伝えしたいと思います。



工夫の必要な計算パターン①
一緒の数字をまとめて計算する




まずはこのようなパターンです。

$3.14×14+3.14×36$

わかるでしょうか?
はい、円の面積などをやっている時によく出てくる計算パターン。
3.14がついているものを一つ一つ計算するのではなく、
一緒の数字をまとめて計算するというものです。
つまり、こういう感じです。

$3.14×14+3.14×36$
$=3.14×(14+36)$
$=3.14×50$
$=15.7$

何よりも「計算できそうなものをすぐにしちゃダメ!」と
すぐに計算に取りかからず、まずは全体を眺めてから動く、
という考える力と俯瞰的な見方が試される問題です。
そしてこのパターンがどんどん変形していって、見つけにくくなります。


工夫の必要な計算パターン②
関係する数字をまとめて計算する




次のパターンです。

$14×3.8+1.4×75-140×0.13$

どうでしょうか?さっきに比べると
一瞬「ん?一緒の数字がないぞ?」となります。
でも、まったく一緒の数字はないものの、
$14$$1.4$$140$が見えます。
ということは、そこを工夫して、一緒にしてみるのですね。
つまり、こういう感じです。

$14×3.8+1.4×75-140×0.13$
$=14×3.8+14×0.1×75-14×10×0.13=14×3.8+14×7.5-14×1.3$
$=14×(3.8+7.5-1.3)$
$=14×(3.8+7.5-1.3)$
$=14×10$
$=140$

位をそろえるために、10をかけたり割ったりすることが必要ですが
その結果、もう一つの数字の位が変わり、
分配法則を使うことで10というわかりやすい数字になりました!
これは、「似たような数字がないかな?」ということに
気づくことが解決のカギとなるパターンです。



工夫の必要な計算パターン③
さらに見つけにくい関係する数字をまとめて計算する




次のパターンです。

$7×7+14×14+21×21+28×28$

今度は同じような数字がない!まったくない!
と慌てそうです。
でも、7×7から始まり、次の14、21、28…と何か共通点がないでしょうか?
それに気づけるかどうかが、この問題を解くために必要な注意力でしょう。
そう、全部7の倍数をかけ合わせているのですね。
では7の倍数としてすべてに共通する$7×7$を作って、まとめてみましょう。

$7×7+14×14+21×21+28×28$
$=7×7+7×2×7×2+7×3×7×3+7×4×7×4$
$=7×7+7×7×2×2+7×7×3×3+7×7×4×4$
$=7×7×(1+2×2+3×3+4×4)$
$=7×7×(1+4+9+16)$
$=7×7×30$
$=49×30$
$=1470$

となりました!
ここまで来ると、「同じでなくても、何か関係する要素がある数字はないかな?」
と考える力がポイントになる、といっていいでしょう。


工夫の必要な計算パターン④
さらにさらに、見つけにくい関係する数字をまとめて計算する




いよいよ難易度が高くなってきます。

$47×41+39×29.5+27.5×59$

もう、なんだかまったく同じ数がありません!!
でも、これもよく見てみましょう。
何か関係する数字がないでしょうか?
そうなんです、わかりにくいですが2つ目と3つ目のかけ算にある
$29.5$$59$は、実は$29.5×2=59$と、2倍になっていますね!
そこから工夫してみましょう。

$47×41+39×29.5+27.5×59=47×41+39×29.5+27.5×29.5×2$
$=47×41+39×29.5+27.5×2×29.5$
$=47×41+39×29.5+55×29.5$
$=47×41+(39+55)×29.5$

となり、29.5で一つまとめられました!
続けてみましょう。
$=47×41+(39+55)×29.5$
$=47×41+94×29.5$

これをあらためてよく見てみましょう。
同じ数字はありませんが…
$47$$94$は、実は$47×2=94$と、2倍になっていますね!
ということは、さらに

$=47×41+94×29.5$
$=47×41+47×2×29.5
$=47×41+47×59$
$=47×(41+59)$
$=47×100$
$=4700$

という感じで、47を共通項としてまとめることができました!

やれやれ。やれば、できた。という感じでしょうか?
でも、実はこの「やればできた」というのはとても大切な感覚なのです。



工夫が必要な計算ができるようになるための大切なポイント3つ



段階的に、工夫の必要な計算を紹介してきました。
私は、これらの計算を正解するために必要なのは3つの心がまえだと思います。


➀数の感覚を養うこと

最初の「3.14」はわかりやすいですが、
だんだんと共通項がある数字に気づきにくくなった今回の問題。
47×2=94
29.5×2=59
といった、あまりお目にかからない数字同士の共通項に気づける
数の感覚を持っていることが大切になります。

②俯瞰的な目線を持つ

「え?これ本当に計算できるの?」と惑わせる問題。
でもやってみると、実はできる。
まるで、出題者からの挑戦状です。
いや、そもそもテスト自体が出題者からの挑戦状なのですが、
工夫が必要な計算については、特にそうでしょう。

それに対応するためには、
「目の前の数字をとにかく計算する!」というのではなく、
ちょっと距離を置いて冷静に眺めてみましょう。

少しだけ引いたところから見る、つまり俯瞰的な目線で考えると
「あれ?ここにさっきと同じ数が入っているぞ」
「このヘンテコな数字が並んだ数、さっきの数字の2倍じゃないかな?」
といったことに気づきます。

おそらくですが、出題者は
何が何でも計算をコツコツ正確に続けるといった
とにかく我慢強い正確な処理能力を測るのではなく
全体が見渡せる力を計算でも見ていると思うのです。
出題者の意図を見透かす。まるで出題者との知恵比べ。

そういったことに気づいて反応できたら、きっと変わりますよ!

③とにかくやってみること。

あとはとにかくやってみる。
やってみる中で、「あ!これはこうなる!」と共通項や解決の糸口が
見つかるものです。
入試問題レベルの算数は大変ですが、答えが必ずある迷路のようなものです。
頑張れば、必ず報われます


「どうしたらいいの?」と勉強に関するお悩みが何かあれば、お気軽にご相談ください。
解決策を一緒に考え、生徒様と一緒に頑張ります!


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